孤独死が発生したら最初に確認すること|役所・相続・遺品整理・各種手続き
「まず部屋を片付けなければ」と思っていませんか?

一人暮らしをされていたご家族が亡くなり、しばらくしてから発見された。
突然その知らせを受けると、ご家族は、
「これから何をすればいいの?」
「家の中はどうしたらいい?」
「役所には何を届ければいい?」
「相続はどうすればいい?」
「電気や水道は止めるの?」
「賃貸だけど、いつまでに退去すればいい?」
など、次々と考えなければならないことが出てきます。
そして、つい、
「まず家の中を片付けなければ」
と考えてしまう方も少なくありません。
もちろん、最終的には遺品整理や家財の整理が必要になるでしょう。
しかし、孤独死が発生した後は、片付けを始める前に確認しておきたいことがたくさんあります。
実際に私たちが孤独死の現場へ伺うと、
「何から手を付ければいいのかわからない」
「役所や相続のこともあるので、荷物を片付けていいのか不安」
といったご相談を受けることがあります。
そこで今回は、孤独死が発生した後に、ご家族様が確認しておきたいことを順番に整理してみます。
まず覚えておきたいのは「片付けを急がない」こと
孤独死の場合、ご家族も突然のことで気持ちの整理がついていないことがあります。
そのような中で、
「早く部屋を空にしないと」
「大家さんから退去を急かされるかもしれない」
「とにかく全部処分してしまおう」
と焦ってしまうのは自然なことです。
しかし、急いで片付けを始めると、
- ・相続に必要な書類を処分してしまった
- ・探していた通帳や印鑑が見つからなくなった
- ・残しておきたかった写真を処分してしまった
- ・契約関係の書類を捨ててしまった
といったことが起こる可能性があります。
そのため、
「まず確認すること」→「必要な手続き」→「遺品整理」
という順番で考えることが大切です。
※以前の、「親が亡くなった後、遺品整理より先に確認しておきたいこと」もご参照ください。
① まずは警察や関係機関からの引き渡しを確認する
孤独死の場合、発見時の状況によっては警察による確認や検視などが行われることがあります。
この段階では、まだご家族が自由に室内へ入って片付けられるとは限りません。
まずは、
「室内に入って整理を始めてもよい状態なのか」
を確認しましょう。
警察などによる確認が終わり、部屋への立ち入りや荷物の整理ができる状態になってから、次の段階へ進みます。
② 役所で必要な手続きを確認する
ご家族が亡くなられた後には、役所関係の手続きも発生します。
故人の状況によって必要な手続きは異なりますが、例えば、
- ・死亡届に関する手続き
- ・戸籍関係
- ・国民健康保険
- ・後期高齢者医療
- ・介護保険
- ・年金
- ・各種手当や行政サービス
などについて確認が必要になる場合があります。
すべてを一度に把握するのは難しいと思いますので、まずは故人がお住まいだった自治体の窓口へ相談してみるとよいでしょう。
「家族が亡くなったのですが、必要な手続きを確認したい」
と伝えれば、必要な窓口を案内してもらえる場合が多いはずです。
③ 相続についても早めに確認する
孤独死の後に忘れてはいけないのが、相続についての確認です。
相続というと「預金や不動産を受け取ること」と考えがちですが、実際には確認することがたくさんあります。
例えば、
- ・相続人は誰なのか
- ・預貯金はどこにあるのか
- ・不動産を所有していないか
- ・生命保険などはないか
- ・有価証券などはないか
- ・借入やローンはないか
- ・未払いのものはないか
- ・その他の財産・債務はないか
などです。
そのため、遺品整理を始める前に、相続に関係しそうな書類や情報を確認しておくことが大切です。
④ 相続は「どこに相談すればいいの?」という問題もあります
相続については、内容によって相談する専門家が変わります。
例えば、
司法書士
不動産の相続登記や、相続に関係する書類・手続きなどについて相談することがあります。
税理士
相続税について相談する場合があります。
弁護士
相続人同士で意見がまとまらない場合や、相続に関するトラブルなどを相談することがあります。
行政書士
相続に関連する書類作成などについて相談する場合があります。
もちろん、すべてのケースでこれらすべての専門家に相談する必要があるわけではありません。
「何について困っているのか」によって相談先を選ぶことが大切です。
また、まず誰に相談すればいいのかわからない場合は、自治体の相談窓口などで案内を受ける方法もあります。
⑤ 相続関係の確認が終わる前に、書類をまとめて処分しない
これは遺品整理を行ううえでも重要なポイントです。
実際の家の中では、相続に関係する書類が、
- ・書棚
- ・机の引き出し
- ・金庫
- ・ファイル
- ・郵便物
- ・封筒
- ・バッグ
- ・押し入れ
など、さまざまな場所に保管されていることがあります。
一見すると「もう必要なさそう」に見える古い書類が、後になって重要になる可能性もあります。
そのため、
相続や各種手続きに必要なものを確認する前に、書類や郵便物を一括して処分するのは避けた方が安心です。
⑥ 電気・水道・ガスは「すぐ解約」ではなく、今後の予定を確認
故人が一人暮らしをしていた場合、電気・水道・ガスなどの契約についても手続きが必要になります。
ただし、
「亡くなったから、すぐ全部止めればいい」
というわけではありません。
遺品整理や特殊清掃を行う場合、作業内容によっては電気や水道を使用することがあります。
そのため、
今後、いつまで室内で作業する必要があるのか
を考えたうえで停止時期を決めることが大切です。
特に、特殊清掃が必要な現場では電気や水道を使用する場合もあります。
「解約すること」だけを先に考えるのではなく、今後の作業予定も含めて考えましょう。
⑦ 賃貸住宅なら、管理会社や大家さんへ連絡する
故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、管理会社や大家さんへの連絡も必要です。
確認したいのは、
- ・契約者が亡くなったこと
- ・今後の退去について
- ・家賃について
- ・荷物の搬出について
- ・原状回復について
- ・鍵の返却について
などです。
ただし、契約内容によって対応は異なります。
「すぐに部屋を空にしなければ」と自己判断するのではなく、まず契約先に確認しましょう。
⑧ 郵便・新聞・定期サービスなどを確認する
亡くなられた後も、郵便物や新聞、宅配サービスなどが届き続けることがあります。
また、
- ・定期購入
- ・宅配サービス
- ・有料会員サービス
- ・その他の継続契約
などが残っている場合もあります。
ここでも注意したいのが、郵便物を何も確認せずに処分しないことです。
相続や金融機関、保険、契約などに関係する重要な書類が含まれている可能性があります。
⑨ 電話・携帯電話・インターネット・テレビなども確認する
意外と忘れられやすいのが通信関係です。
例えば、
- ・携帯電話
- ・固定電話
- ・インターネット
- ・ケーブルテレビ
- ・有料テレビサービス
- ・動画配信サービス(動画サブスク)
などです。
携帯電話やスマートフォンには、連絡先や写真など、大切な情報が残っている場合もあります。
そのため、単純に「解約すれば終わり」と考えず、必要な情報を確認してから手続きを進めることが大切です。
⑩ 遺品整理の前に「探している物」を確認する
ここで、ようやく遺品整理について考えます。
作業を始める前に、ご家族へ、
「何か探している物はありませんか?」
と確認しておくことをおすすめします。
例えば、
- ・通帳
- ・印鑑
- ・写真
- ・アルバム
- ・手紙
- ・保険証券
- ・不動産関係の書類
- ・故人が大切にしていた物
などです。
実際の現場でも、作業を進める中で、
「そういえば、あれを探していた」
と後から思い出されることがあります。
できるだけ作業開始前に、ご家族が探している物を確認しておくことが大切です。
⑪ 「残す物」と「処分する物」をすぐに決めなくてもいい
突然の出来事の後では、すぐにすべての遺品を判断できないこともあります。
そんなときは、
「保留」という選択肢もあります。
例えば、
「これは残す」
「これは処分する」
「これは家族で相談する」
「これは専門家に確認してから判断する」
というように分けておけば、焦って処分することを防げます。
特に、相続に関係する可能性がある物や書類については、確認が済むまで処分しない方が安心です。
⑫ 部屋の状態を確認する
ここまで確認したうえで、ようやく部屋そのものの状態を確認します。
孤独死の場合、発見までの時間や季節、室内環境などによって状態は大きく異なります。
例えば、
- ・ニオイが強い
- ・床や畳に汚染がある
- ・害虫が発生している
- ・家具や布製品にニオイが付着している
- ・通常の清掃では対応が難しい
といった場合があります。
ただし、孤独死=必ず特殊清掃が必要というわけではありません。
まずは実際の状態を確認することが大切です。
⑬ 特殊清掃が必要な場合は、遺品整理との順番も考える
特殊清掃が必要な現場では、遺品整理との順番も重要になります。
私たちが気をつけているのが、
家財や遺品へのニオイの付着
です。
そのため、現場の状況にもよりますが、私たちは、
残す物を確認する
↓
家財・遺品を搬出する
↓
特殊清掃を行う
という流れをおすすめしています。
先に家財や遺品を搬出することで、ニオイが付着するものを減らせるためです。
もちろん、現場の状態によっては別の順番になる場合もあります。
⑭ 最後に「この家をどうするのか」を考える
そして、もう一つ大切なのが、
「この家をこの先どうするのか」
です。
例えば、
- ・賃貸なので退去する
- ・売却する
- ・ご家族が住む
- ・空き家として残す
- ・解体する
などがあります。
この予定によって、必要となる遺品整理や清掃、家財の処分なども変わってきます。
「とりあえず全部片付ける」のではなく、最終的な目的を考えてから整理を進めることが大切です。
孤独死の後に「どこへ相談すればいいの?」を整理してみました
ここまでの内容を、相談先という視点でまとめると、次のようになります。
| 困っていること | 主な相談先 |
|---|---|
| 死亡届・戸籍など | 市区町村役所 |
| 健康保険・介護保険など | 市区町村役所 |
| 年金関係 | 年金事務所・役所など |
| 相続人や相続手続き | 司法書士・弁護士など |
| 不動産の相続登記 | 司法書士 |
| 相続税 | 税理士 |
| 相続トラブル | 弁護士 |
| 賃貸契約 | 管理会社・大家 |
| 電気・水道・ガス | 各契約先 |
| 携帯・ネット・テレビ・動画配信サービス | 各契約先 |
| 郵便・新聞・定期サービス | 各契約先 |
| 遺品・家財の整理 | 遺品整理業者 |
| 室内の汚染・強いニオイなど | 特殊清掃業者 |
※実際の必要な手続きや相談先は、故人の状況や契約内容などによって異なります。
実際の現場で感じる「片付けだけでは終わらない」ということ
私たちが孤独死の現場に伺うと、ご家族から、
「何から始めればいいのかわかりません」
と言われることがあります。
それは当然だと思います。
突然の出来事の中で、
役所の手続き。
相続。
契約の整理。
賃貸住宅の退去。
遺品整理。
特殊清掃。
その家を今後どうするのか。
これらを同時に考えなければならないからです。
だからこそ、最初から全部をご家族だけで片付けようとする必要はありません。
まずは、
「今すぐ確認すること」
「役所や専門家に相談すること」
「後からでもよいこと」
を整理してみてください。
「何から始めればいいかわからない」という方へ
孤独死の現場では、
「相続のこともあるので、荷物を処分していいのかわからない」
「特殊清掃が必要なのかわからない」
「家財は先に出した方がいいの?」
「何を残しておけばいいの?」
と迷われることがあります。
そんなときは、無理にすべてをご家族だけで判断する必要はありません。
相続や各種手続きについては、役所や司法書士、弁護士、税理士など、内容に応じた専門家へ相談することが大切です。
そして、遺品整理や特殊清掃については、現場を確認したうえで必要な作業を整理していくことができます。
株式会社その先にでは、遺品整理・特殊清掃について、
「何から始めればいいのかわからない」
という段階からご相談いただけます。
私たちが相続手続きそのものを行うわけではありません。
だからこそ、必要に応じて専門家へ相談することも含め、ご家族がその後のことを考えられるよう、遺品整理・特殊清掃の立場から現場の状況を整理することを大切にしています。
まとめ|孤独死の後は、まず「片付ける」より「確認する」
孤独死が発生すると、どうしても、
「早く部屋を片付けなければ」
と考えてしまいます。
しかし、実際にはその前に、
- ・役所への手続き
- ・相続に関する確認
- ・司法書士・弁護士・税理士などへの相談
- ・電気・水道・ガス
- ・賃貸契約
- ・郵便・新聞
- ・携帯電話・インターネット
- ・貴重品・重要書類
- ・探している物
- ・残す遺品
- ・部屋の状態
など、確認することがたくさんあります。
そして、それらを確認したうえで、
遺品整理を行うのか。
特殊清掃が必要なのか。
家財をどの順番で搬出するのか。
この家をこの先どうするのか。
を考えていきます。
孤独死の後に必要なのは、単純に「部屋を空にすること」ではありません。
焦って片付けるのではなく、まず必要なことを一つずつ整理すること。
それが、後から「大切なものを処分してしまった」「必要な手続きがわからなかった」といった後悔を防ぐことにもつながります。
「何から始めればいいかわからない」という場合は、まず現在の状況を整理するところから始めてみてください。
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