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特殊清掃で解体が必要になるケースとは?床下に残った体液と「臭い戻り」に注意

その他

「できれば解体せずに清掃だけで済ませたい」という方へ

孤独死などが発生したお部屋で特殊清掃を依頼するとき、

「できるだけ解体はしたくない」

「床や壁を壊さず、清掃と消臭だけで何とかしたい」

「費用が大きくなるので、できれば最低限の作業にしたい」

このように考える方は少なくありません。

実際、特殊清掃だからといって、必ず床や壁を解体しなければならないわけではありません。

汚染の範囲が表面にとどまっている場合は、汚染箇所の洗浄・消毒・消臭などによって対応できるケースもあります。

ただし、注意が必要なのが、見えている部分だけでは汚染状況が分からないケースです。

特に、体液が床材の下まで入り込んでいる可能性がある場合は、表面をきれいにしただけでは、後から再び臭いが出てくることがあります。

 

床の表面をきれいにしても、臭いが残ることがあります

特殊清掃では、まず目に見える汚れや臭いの原因を確認します。

しかし、孤独死などの現場では、体液が床材の隙間や継ぎ目などから下へ入り込んでいることがあります。

例えば、床が次のような構造になっている場合です。

床材
↓
床下地
↓
木材(根太など)
↓
床下空間・コンクリートなど

体液が床材の表面だけにとどまらず、床材の下にある下地や木材まで入り込んでしまうと、表面を清掃しても原因が残ってしまう可能性があります。

さらに、床下まで到達している場合には、床下のコンクリートなどに付着・浸透しているケースもあります。

実際の特殊清掃事例でも、クッションフロアなどの床材を剥がしたところ、下地材まで体液が浸透していたケースや、さらに床下のコンクリート部分まで臭気の原因が及んでいたケースが紹介されています。

 

なぜ「解体してみないと分からない」ことがあるのか

特殊清掃の難しいところの一つが、汚染の本当の範囲が目視だけでは判断できないことがあるという点です。

例えば、床の表面を見ると、

「少しシミがある程度」

「ここだけ清掃すれば大丈夫そう」

と思える場合でも、床材を剥がしてみると、その下の床下地にまで体液が入り込んでいることがあります。

さらに、床下地を確認したことで、その下の木材や床下空間にまで影響していることが分かる場合もあります。

そのため、

表面を見る
↓
必要に応じて床材を剥がす
↓
下地を確認する
↓
さらに下まで汚染していないか確認する

というように、段階的に確認することがあります。

実際に、床材を剥がしたことで初めて床下地への浸透が確認され、その後、床下の洗浄や部分的な床の再施工まで必要になった施工事例もあります。

 

「クロスを張り替えれば臭いは消える」は必ずしも正しくありません

特殊清掃のご相談では、

「壁紙も全部張り替えれば大丈夫でしょうか?」

というご質問をいただくことがあります。

もちろん、壁紙や床材に臭いが付着している場合、撤去・交換が必要になることはあります。

しかし、臭いの原因が床下に残っている場合は、壁紙を新しくしただけでは根本的な解決にならない可能性があります。

例えば、

床下に体液が残っている
↓
床下から臭気が発生する
↓
室内へ臭いが上がってくる
↓
壁紙を張り替えても、しばらくするとまた臭いを感じる

ということも考えられます。

実際に、床上の処置を行った後も臭いが戻り、調査したところ床材内部や床下に汚染原因が残っていたという施工事例もあります。

そのため、臭いが強く残っている場合には、「何を使って消臭するか」だけではなく、「臭いの原因がどこにあるのか」を確認することが重要です。

 

特に床下まで確認を検討したいケース

もちろん、すべての現場で床を解体する必要があるわけではありません。

ただ、次のような場合は、床材の下まで確認することを検討した方がよいでしょう。

① 発見までに時間がかかっている

発見までの期間が長いほど、体液などが床材へ浸透している可能性があります。

ただし、経過日数だけで汚染範囲を決めることはできません。

死因や室温、室内環境、遺体の状態、床材の種類など、さまざまな条件によって変わります。

② 床に体液のシミが広がっている

床の表面に広範囲のシミがある場合や、床材の継ぎ目・端部などに体液が入り込んでいる場合は、床材の下まで確認が必要になることがあります。

③ 清掃しても強い臭いが残る

見えている汚れを除去し、十分に清掃・消臭しても強い臭いが残る場合は、目に見えない場所に原因が残っている可能性があります。

床下だけでなく、巾木の裏側、壁の内部、柱などが原因になっているケースもあります。

④ 床材を撤去すると、下地にも汚染が確認された

この場合は、さらにその下の木材や床下まで確認する必要があるかもしれません。

一部の施工事例では、床材を剥がした後に下地材への浸透が確認され、下地の解体や床下の処置まで行っています。

 

だからといって「全部壊せばいい」というわけではありません

ここは、特殊清掃を依頼する側にとって非常に大切なポイントです。

「臭いがあるから、とりあえず床も壁も全部解体しましょう」

という考え方が必ずしも正しいわけではありません。

解体すれば当然、作業費だけでなく、その後の床・壁・天井などの原状回復費用も発生します。

また、汚染されていない部分まで解体してしまえば、必要以上の費用につながる可能性もあります。

そのため、まずは、

  • ・どこで亡くなられていたのか
  • ・発見までどの程度の時間があったのか
  • ・体液の広がり方
  • ・床材の種類
  • ・床下の構造
  • ・現在の臭いの状態
  • ・表面の清掃だけで対応できる状態なのか
  • ・一部だけ開口して確認する必要があるのか

などを確認し、必要な範囲だけ処置することが重要です。

孤独死があったという理由だけで、部屋全体を解体する必要があるわけではありません。床材や下地、汚染範囲などを確認しながら、必要な範囲を判断するという考え方が一般的です。

 

「できれば解体したくない」という希望も、まず伝えてください

ご遺族からすれば、

「思い出のある家なので、できるだけ壊したくない」

「売却する予定なので、必要以上の工事はしたくない」

「費用をできるだけ抑えたい」

という事情もあると思います。

そうした場合は、最初から「解体してください」と依頼する必要はありません。

「できるだけ解体せずに対応したい」

という希望を、特殊清掃業者に伝えてください。

そのうえで、現場を確認し、

「ここまでは清掃で対応できそう」

「ここから先は実際に床材を開けてみないと判断できない」

「一部分だけ確認してから、追加の処置を判断した方がよい」

など、段階的に判断できる場合があります。

 

大切なのは「解体するかどうか」より、臭いの原因を見極めること

特殊清掃で一番避けたいのは、

「見た目はきれいになったのに、しばらくするとまた臭ってくる」

という状態です。

強力な消臭剤やオゾンなどを使用することがあっても、臭いの原因となる汚染物が残っていれば、十分な効果が得られないことがあります。

そのため、

汚染源を確認する
↓
必要な範囲を洗浄・除去する
↓
必要に応じて解体する
↓
汚染箇所を処置する
↓
最後に消臭・脱臭・原状回復を行う

という考え方が大切です。

特殊清掃の現場では、床材を剥がして初めて汚染範囲が分かることもあります。

「できれば解体したくない」というお気持ちは当然ですが、解体を避けることそのものを目的にするのではなく、必要以上に壊さず、それでも臭いの原因を残さない方法を考えることが大切です。

 

まとめ

特殊清掃では、床の表面だけを見て汚染範囲を判断できない場合があります。

体液が床材を通過して、

床材 → 下地 → 木材 → 床下 → コンクリートなど

へ達している可能性がある場合は、表面的な清掃や壁紙の張り替えだけでは臭いが改善しないことがあります。

一方で、孤独死があったからといって、必ず床や壁を解体するわけではありません。

現場の状況を確認し、必要な部分だけを段階的に処置することが、費用や建物への負担を抑えるうえでも重要です。

「できれば解体せずに済ませたい」という方も、まずはその希望を業者に伝えたうえで、どこまで確認・処置が必要なのかを説明してもらうことをおすすめします。